伸張反射に関する研究

伸張反射(stretch reflex)とは?

 伸張反射とは「筋を急激に伸張すると,元の長さに戻ろうとして収縮とする」という,ヒトにおけるサーボ機構であるということが出来ます.伸張反射による筋収縮は随意的収縮(意識的に行う収縮)よりも早く起こるため,突発的な外乱に対応することが出来ます.

伸張反射のメカニズム.

Fig.1 伸張反射の経路

 ヒトの筋肉には,長さを検出するセンサの役割をする受容器が備わっています.これを筋紡錘(Muscle spindle)といいます.

 筋が急激に伸張されると,筋紡錘は興奮しそこから発せられたインパルス(信号)はIaと呼ばれる感覚神経線維を通り,脊髄(Spinal cord)に到達します.脊髄内部でIaは,α運動神経細胞(α motor neuron)に単シナプス(シナプスを1個だけ介して)に興奮を伝えるので,α運動神経細胞は興奮しα運動神経線維(α motor fiber)を経由して,筋を収縮させます.

※シナプス:神経細胞間で情報を伝達する

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