伸張反射に関する研究

伸張反射応答

 伸張反射応答における筋活動の評価は,筋が運動するときに発生する筋電(Electromyography;EMG)を用います.Fig.2が伸張反射応答のEMGの典型的な波形です(信号処理済).これらの信号は,伸張刺激が与えられてから応答が出現するまでの時間(潜時:latency) によって,短潜時成分(M1),長潜時成分(M2,M3)に分類されます.M1の潜時は約20〜30[ms],M2の潜時は約45〜60[ms]になります.

 潜時の長さは神経線維の長さに比例しますので,もちろん個人によって違います.また,短潜時反射はIa経由の単シナプス反射,長潜時反射は脊髄より上位の経路を経由しているといわれ,長潜時成分は,筋によって経路が異なり,また随意収縮が含まれているともいわれている.そのため現在も議論が続いており,未だ明らかにされていない.

伸張反射応答の課題依存性

 同じ人に同じ刺激を与えても,刺激前の筋の状態によって伸張反射応答は変化します.たとえば人の腕の場合では,刺激を与える前のひじの角度,あるいは筋の緊張状態,などの条件によって変化します.

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